ポイントを押さえて!災害時の食料を賢く備蓄する方法

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かつては、災害時における食料の備蓄は3日分で良いといわれてきました。しかし、南海トラフ地震のような巨大地震が起こってしまうと、3日程度ではライフラインが回復しない恐れがあります。そのため、現在では7日分常備しておくのがよいとされています。

食料を備蓄するにあたってはどのようなメニューにするのか、どれぐらいの量が必要なのか考えなくてはなりません。そう考えると、3日分の食料を備蓄するだけでも大変なのに、1週間分も用意するなんてさらに大変です。

ここでは、効率よく食料を備蓄する方法をご紹介します。

ローリングストック法という備蓄法で食料を備蓄しよう

非常食というと、乾パンや缶詰などのような「とにかく長期間保存がきくもの」というイメージをもっている人が多いかもしれません。

確かにこのような食べ物は日持ちがしますので、常備しておくと「いざ」という時に頼りになります。その反面、賞味期限が数年単位であることが多く、常備した本人がその存在を忘れてしまうことがあるのです。せっかく非常食を準備していても、放置したままで「いざ」という時に賞味期限が切れてしまっていては意味がありません。缶詰や乾パンといった非常食には「長持ちしすぎるがゆえのリスク」があります。

そこで新しい食料の備蓄方法として「ローリングストック法」が注目を集めています。ローリングストック法とはローリング(回転させる)・ストック(備蓄)という意味の通り、常に新しいものに置き換えながら食料を備蓄していくという方法です。

例えば、月に1回備蓄してある食料を食べることができれば1年間で12食分、つまり4日分のストックを新しいものに交換することができます。

災害時でも食べ慣れたものを!ローリングストック法のメリット

ローリング法のメリットとしては、ストックしておく食料は乾パンや缶詰などのように賞味期限が数年単位でなく、1年程度あれば良いため、選べる食料のバリエーションが格段に増えることです。

大災害時には1週間分の非常食を用意しておくことが望ましいとされていますが、そのような状況下では冷蔵庫に入っている傷みやすい食材から消費することが鉄則です。そのため、非常時に必要な1週間分の食料すべてをストックしておく必要もありません。仮に冷蔵庫の中身で3日分の食料を賄うことができれば、1カ月に1回非常食を更新していけば残り4日分を補うことができます。

1年程度の賞味期限ということであれば、レトルト食品やカップ麺なども選択肢になります。大災害時には精神的なショックも大きいので、できるだけ温かくて普段から食べているものを口にできることが望ましいです。

健康面のことを考えるとカップ麺やレトルト食品を敬遠する人もいるかもしれませんが、たまには食べておくとよいでしょう。

冷蔵庫の中はいざというときの備蓄場所

冷蔵庫の中身を入れ過ぎてしまうと冷房効果が悪くなり、電気代が多くかかってしまうことがあります。

そのため、冷蔵庫の中身を少なめにしている人もいるかもしれませんが、大地震などの非常時にはたくさん入れておいた方が助かることがあります。大地震が起こっても必ず停電するとは限りません。そのため、食料が手に入りにくくなった場合には、冷蔵庫に入っている食材を消費することで非常食の代わりにすることができます。

また、仮に停電してもすぐに食材が食べられない状態になるとも限りません。なぜなら、災害は季節を問わずに襲ってくるので、秋や冬など比較的寒い時期にくるかもしれないからです。そのような時期であれば、冷蔵庫の中身はある程度保存ができるケースがあります。特に冷凍庫に入っているものであれば、もっと長持ちするでしょう。

また、停電した時は冷凍庫に冷蔵用の食材を入れて保存することも効果的です。冷凍された食材が保冷材の働きをしてくれるので、冷凍庫でクーラーボックスのような効果が期待できるでしょう。

非常食はどこに備蓄すべき?災害時慌てないように

災害はいつ起こるか分かりません。そのため、非常用の持ち出し袋や非常食は「いつ・誰が見ても」分かる場所に置いておくようにしましょう。

特に子供や孫など家族の多い家庭では、全員が共通認識としてどの場所にあるか把握しておかなければなりません。非常事態が起こった時に、いつも非常食を用意してくれる人が何らかの理由で家に帰れない状況も考えられます。

家族の誰であっても「いざ」という時には行動できるようにしておかなければなりません。ローリングストック法であれば定期的に非常食を更新する機会がありますので、その時に全員に周知するとよいでしょう。

また、地震などの災害時には足元にモノが散乱してしまうことが考えられます。せっかく前もって非常食の置き場所を決めておいても、モノに埋まって見えにくくなるかもしれませんし、被災した直後というのはどうしても慌てたり、動揺したりするものです。一目見て非常食だと分かるような透明のケースに入れておくと、そのような状況でも対処しやすいのでやってみてはいかがでしょうか。

災害時にあると便利な調理器具

乾パンや缶詰に調理器具は必要ありませんが、レトルト食品やカップ麺を非常食として使用するなら、お湯をつくる調理器具が必要です。

そのため、レトルト食品やカップ麺を非常食として用意しておく場合には、お湯をつくれる調理器具を忘れずに準備しておきましょう。調理器具といっても、特別なものを用意する必要はありません。各家庭に元々あって、災害時に便利な調理器具とはカセットコンロです。

カセットコンロとやかんや鍋があれば、水さえあればお湯を作ることができます。また、簡単な調理をすることも可能ですので、冷蔵庫に食材がある場合は普段と変わらないご飯を食べることもできるでしょう。

レトルト食品やカップ麺に使うお湯を作るための水については、飲料用ペットボトルを用意しているから大丈夫だと思う人もいるかもしれません。飲料用・調理用として、1人あたり1日3リットルの水を用意できれば大丈夫だと言われていますが、これはあくまで目安です。もし災害が起きるのが夏の暑い時期であれば、水はできるだけ多く確保しておくに越したことはありません。

そのため、1日3リットルの目安以外にも水道水をペットボトルに入れて用意しておくと良いでしょう。レトルト食品を温める時には十分使うことができます。

まとめ

非常食は用意していても、実際に災害が起こった時に役に立たなければ意味がありません。

乾パンや缶詰だけを用意するという、これまでの非常食の考え方は「とりあえず用意しておけば良い」というものです。これでは、実際に災害があった時に「どこに・何があるのか分からない」という状況になってしまうでしょう。大災害があった時に運よく助かっても、ライフラインが壊滅状態になってしまうと最悪の場合、食べるものが何もなくなるかもしれません。

常日頃からそのような状況を想定することは難しいですが、ローリングストック法のように日常生活に災害時のことを考えた訓練を取り入れる方法は「いざ」という時に役に立つことでしょう。

月に1回程度であれば、それほど負担になることもないでしょう。併せて、災害時における避難場所の確認や連絡方法の確認など、各家庭の避難訓練を行ってみるのもよいのではないでしょうか。災害は突然やってきますので、身近な存在と意識して備えるようにしましょう。

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