非常食にはさまざまな種類がありますが、その中で特に大切なのは水です。水は飲料としてはもちろん、調理や生活用水としても使用し、生活の中で大きな役割を果たしています。
大きな災害が起こったときは、ライフラインが断絶してしまう恐れがあります。そのため非常食としての飲料水以外の用途にも、水を用意しておかなければなりません。どれだけ必要になるのかを考えて、しっかり準備しておくことが大切です。
今回は、用意しておくべき水の量などについて解説します。
絶対必要な非常食!何をどれだけ用意したらいいの?
非常食は1週間分ほどあると心強いですが、最低3日分を目安にして用意しましょう。
災害が発生してから救援物資が供給されるようになるまで、3日ほどかかってしまうことが多いからです。調理の手間が不要なレトルト食品や賞味期限の長い缶詰を中心に、自分や家族が3日間過ごせるだけの量を用意します。子どもがいる場合は、ビスケットなどのお菓子もあったほうが良いです。
非常食として備蓄すべき水の量も同様に考えて構いません。最低でも3日分を準備しておくのが基本です。人が生きていくのに必要な水の量は、1日あたり最低でも3Lほどといわれています。多いように感じるかもしれませんが、人は毎日3L近くの水分を体外に排出しているのです。
そのため同程度の水を毎日摂取しないと、体内の水分が不足してさまざまな不調が生じてしまいます。年齢や体質によって必要な水の量に差はありますが、家族1人につき3日分の水、9Lを目安として用意しましょう。
用意する水は飲料水だけでいいの?
被災時に不足する水は飲料水だけではありません。
ライフラインが回復するまでは、トイレや洗濯などに使う水も足りなくなってしまいます。水を使う作業の多くが不自由になるので、まず大量の水を使う入浴はできないと考えておいたほうが良いでしょう。そのような事態を想定して、水の使用量を減らせる防災グッズを用意しておくことが大切です。
たとえば尿の凝固剤があれば、トイレを流すのに必要な水を減らせます。ウェットティッシュがあれば、手を洗う水の節約が可能です。他にも、わずかな水で衣類を洗える簡易な洗濯機などもあります。
このように節水に役立つ防災グッズを多く用意しておけば、水の供給が再開されるまで生活しやすくなります。一方でそのような防災グッズを用意していない場合は、飲料水をそれぞれの用途に転用しなければなりません。
それを前提とするなら、備蓄する水の量をその分だけ増やしておく必要があります。そうしないと飲料水が不足する事態になりかねません。
水のペットボトルは500mlと2Lどちらがいいの?
防災用の水を用意する場合、ペットボトルを購入する人が多いです。それでは、購入するペットボトルのサイズはどれが適しているのでしょうか?一般的によく売られているのは、500mlと2Lのタイプです。
当然ですが、サイズが異なると価格も異なります。基本的には、定価であれば500mlのほうが安いです。しかし、2Lのタイプはスーパーやドラッグストアなどで安売りされていることがよくあります。経済的な理由で、安売りされているものを購入する人もいるでしょう。特に家族がいる場合は、たくさん購入する必要があるため、そうする人も多いのではないでしょうか。
しかし、被災したときのことを考えると、2Lのタイプばかりを揃えておくのは得策ではありません。2Lのタイプは携帯するのに適しているとはいえないからです。500mlのタイプであれば容易に携帯できます。
力の弱い子どもや高齢者であっても、持ち運ぶのに苦労することは少ないでしょう。家族がバラバラに行動する事態も起こりうるので、500mlのタイプも用意しておいたほうが良いです。
ペットボトル以外にも大量の水を用意する方法はある!
水を用意する方法はペットボトルだけではありません。
非常食として使える水が潤沢にあると、被災時も心に余裕が生まれやすいです。小さめのペットボトルは携帯しやすいですが、大量の水を用意しようとすると本数が非常に多くなってしまいます。まとまった水を確保しておきたい場合は、他の方法で溜めておくことも検討しましょう。
大量の水を溜めておくのに適しているものといえば、例えばタンクがあります。タンクから水を補充して使うことを前提にすると、用意するペットボトルの本数は少なくて済みます。
タンクは、10Lや20Lなど多くのサイズのものが売られています。形状や機能のバリエーションも豊富です。折り畳みが可能なタイプやコックが付いているタイプ、ホイール付きで移動させやすいタイプなどもあるので、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
また、タンクを一つでも持っていると、避難後に給水があった場合に水を溜めておきやすいメリットもあります。
賞味期限切れの水も有効に利用
非常食の賞味期限が迫っているのに気づいて、慌てて食べた経験がある人もいるかもしれません。水も他の非常食と同様に賞味期限があります。賞味期限が切れても、必ずしも飲めなくなるわけではありません。
しかし、安全性は保証されなくなるので、できるだけ飲まないほうが良いです。特に慣れない避難生活で、体調を崩している場合はなおさらです。自分でタンクに溜めた水には明確な賞味期限はありませんが、こまめに入れ替えるようにしましょう。 ペットボトルの水は、賞味期限が切れる前に新しいものに入れ替え、古いものは日常生活で消費するといいでしょう。
しかし、お金や時間に余裕がないなら、必ずしも慌ててそうする必要はないです。水は他の非常食と違って、他の用途にも使えるからです。賞味期限が切れていても腐敗していなければ、洗濯をはじめとして使用できる用途は多くあります。そのため賞味期限が切れたペットボトルも、ある程度の本数までは残しておいても大丈夫です。
まとめ
水が豊富にある日本において、日常生活で水に困ることは少なく、重要性を忘れてしまっている人もいるのではないでしょうか。
大きな災害が起こると、水の入手が困難になることがよくあります。そのときになってから、水のありがたさを思い出しても状況は変わりません。あらかじめ非常食や生活用水として必要になる水の量を計算し、ペットボトルやタンクなどで用意しておくことが大切です。
また、水を用意するだけでなく、実際に災害が起こったときに節水することも重要なポイントです。節水できる防災グッズや賞味期限切れの水を活用してみてください。
普段から水の重要性を意識して、ぜひ今回紹介したような備えをしておきましょう。
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