水道が止まってしまった際には、十分な水の量をトイレに使うことはできません。水を使わずにトイレをしてしまうと、雑菌が繁殖しやすくなったり、臭いが気になったりなどのトラブルを引き起こしてしまいます。そこで、活躍するのがトイレの凝固剤です。
トイレの凝固剤の効果は、排せつ物を瞬時に固め臭いを漏れにくくします。今回は、そんな防災グッズとして欠かせないトイレの凝固剤の使い方とメリットについて解説します。
☆トイレの凝固剤って何?どんな風に使うの?
災害時のトイレでは、使用できる水の量が限られてしまいます。
また、水道が止まってしまうことで水洗トイレが使用できなくなってしまう場合もあり、何かとトラブルが付き物です。汲み取りタイプのトイレは、臭いが発生しやすいためトイレを我慢してしまう人もいます。そこで用意しておきたい防災グッズがトイレ凝固剤です。トイレ凝固剤とは、排せつ物と反応して瞬時に固める作用を持つ薬剤のことです。
凝固剤には排せつ物の臭いを閉じ込め、速やかに処理できる状態にする効果があります。凝固剤を使用すると災害時でも臭いを気にせずに、いつでも用を足せるため、用意する防災グッズのなかでも優先度は高いと言えるでしょう。使用方法は、普段使用している水洗トイレにポリ袋を設置して使うのが一般的です。便器にポリ袋を設置したら、そこに凝固剤を入れてそのまま用を足します。
凝固剤が作用し、固まり始めたら口を締め、そのまま可燃ごみとして処理できるタイプのものが多いです。凝固剤を使用した後の処理方法は、使用する袋の種類やトイレタイプ、各自治体のごみの分別方法によっても変わってくるため、一度確認しておくのが良いでしょう。水洗トイレの便器が近くにない場合は、段ボール箱や簡易トイレで代用することも可能です。
☆水が流れなくてもOK!トイレ凝固剤のメリット
トイレの凝固剤を使用するメリットを3つ紹介します。
まず1つ目のメリットとして挙げられるのが「水がない環境でも臭いを気にすることなく排せつできる」という点です。災害時に水道が使えなくなってしまった場合、汲み取り式のトイレなどを使用すると臭いが発生しやすくなります。しかし、トイレの凝固剤を使用することで、嫌なにおいを瞬時に閉じ込めることができます。
トイレの凝固剤を使用することで得られる2つ目のメリットは「殺菌作用」です。災害時の特別な環境では、水を使用して排せつ物を処理できないため、放置されやすい環境にあります。排せつ物を放置すると、雑菌やウイルスが繁殖しやすくなります。感染症の原因になる大腸菌や、ガンジタ菌、サルモネラ菌、ブドウ状球菌などの温床になってしまうのです。トイレの凝固剤には、これらを除菌する作用が含まれるものもあります。排せつ物内の菌が死滅することによって悪臭が抑えられるだけではなく、危険な感染症の発生を未然に防止する効果があります。
3つ目のメリットとして挙げられるのが、「使用後の処理が楽」という点です。使用後は可燃ごみとして処理できるものが多いため、そのまま捨てることができます。
☆トイレ凝固剤を用意するときに注意したいこと
トイレの凝固剤を用意する際にはいくつかの注意点があります。
まず、1つ目の注意点として挙げられるのが「凝固剤を多めに用意しておく」ということです。トイレの凝固剤は、トイレ1回につき、製品を1袋使いきるものが多いです。トイレの回数は人によって個人差がありますが、1日に1回~5回程度使用する方が多いといわれています。
すべてをトイレの凝固剤を使用して処理する場合、トイレの回数が多い方だと1日に5袋の凝固剤を使用することになります。トイレの凝固剤を購入する際には、家族の人数を考慮して、多めに購入しておくと安心です。また、トイレの凝固剤は簡易トイレとセットで使用します。簡易トイレとは、災害時に持ち運びができるトイレセットのことです。
ボックス型の便器や折りたたみ式の骨組みに袋をはめ込んで使用するタイプなどがあります。簡易トイレとセットで使用することで、周囲の環境を気にせずにゆっくりとトイレがしやすくなります。簡易トイレと、トイレの凝固剤を併せて使用する際には、簡易トイレのタイプを把握しておくことが大切です。簡易トイレの中には、凝固剤を使用せずに排せつ物を分解し処理するタイプのものなどもあります。
☆トイレ凝固剤の使用上の注意はある?
トイレ凝固剤を使用する際には、固めたらすぐに袋の口を結び処理をするようにしましょう。
排せつ物に凝固剤は反応し、すぐに固まり始めます。しかし、使用後も袋の口を結ばずにそのままにしておくと、排せつ物が空気に触れてしまい臭いが漏れてしまう可能性もあります。雑菌が繁殖してしまう原因にもなるため、注意が必要です。袋の口を開けたままにしておくと、凝固した中身がこぼれてしまうことにも繋がります。
使用後、ポリ袋の口を結んだら速やかに可燃ごみとして処理するようにしましょう。子供や高齢者が袋のみを使用しトイレをするのは難しい場合もあります。そんなときは、簡易トイレと凝固剤の併用がおすすめです。
洋式タイプの簡易便座を使用することで、子供や高齢者であってもトイレがしやすいと言えます。トイレ凝固剤と簡易トイレを併せて使用する際には、袋を正しく設置して使用するようにしましょう。袋を正しく設置せずに使用してしまうと、中身がこぼれてしまったり、悪臭が放たれてしまったりなどのトラブルに繋がる場合もあります。
ポリ袋の正しい設置方法は、簡易トイレの種類によっても異なります。簡易トイレと凝固剤を併せて使用する際には、ポリ袋の設置方法や凝固剤の使用方法にしっかりと目を通すことが重要です。
☆まとめ
体の活動を維持するために、「食事」と「トイレ」は切っても切り離せない関係にあります。
防災グッズとして食料を確保していても、トイレの問題については忘れがちな人も多いです。トイレ凝固剤を用意しておくことによって、水が使えない環境下でも安心して用を足せます。
また、衛生的な環境でトイレが使用できるため、感染症を予防する効果もあります。トイレ凝固剤を購入する際には、使用する簡易トイレのタイプや家族の人数などを踏まえ、適切な量を用意しておくのもポイントです。
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