近年、台風や地震などの自然災害が多く、日本では各地域や自治体で防災活動が活発に行われるようになりました。
具体的には、学校や会社では防災セットを取り揃えたり、防災訓練を実施したり、地域や自治体では周辺区域の環境を整備したりしています。
日本には「おはし」や「おかし」など、
お…おさない
は(か)…はしらない(かけない)
し…しゃべらない
という、防災にちなんだ独自の言葉があります。
アメリカにも同じように、
「Stop Drop and Roll(ストップドロップアンドロール)」という災害時の合言葉があります。
Stop(ストップ)…とまって
drop(ドロップ)…倒れて
Roll(ロール)…転がって
自分の衣類等に火が着いてしまったときの合言葉で、子どものころから対処法を教育しています。
日本ではあまり馴染みはありませんが、万が一の際は覚えておくと非常に為になる言葉です。
このように、アメリカでは日本と少し違った形で防災活動や教育が行われています。
アメリカの避難訓練傾向
防災といえば避難訓練を思い浮かべる人が多いかと思います。
日本の防災訓練では先生や役員など先導者がついていたり、地域の消防士を呼んだりしますが、海外では、あまりそのようなことはしないようです。
海外の防災訓練は比較的ゆるい雰囲気で行われることが多く、消火器を使った実施訓練などは珍しいといわれています。
過去に大きな地震のあった場所ではその地域の地形などに合わせた避難訓練が実施され、定期的に行われています。
例えば、ハワイは海が直ぐ側にある場所が多いため、津波を想定した避難訓練が行われています。
また、冒頭にも述べた「Stop Drop and Roll(ストップドロップアンドロール)」のように、アメリカでは火災の危険性を優先的に考えて避難訓練をする傾向にあるようです。
日本の避難訓練では、応急処置の仕方などまでは訓練の一環として行わないことも多いですが、アメリカでは、けが人が出た際の応急処置の仕方などの訓練もさかんです。
アメリカ発「シェイクアウト」
シェイクアウトは、2008年にカルフォルニア州で始まったアメリカ発の地震防災訓練です。
日時を事前に決めてその場の人たちで一斉に3つの動作を行います。
Drop(しゃがむ)
Cover(頭を守る・かくれる)
Hold On(動かない)
屋内にいる場合は、姿勢を低くし、固定された安全なデスクやテーブルの下に潜り、動かずに揺れがおさまるのを待ちます。
屋内にいる場合は、固定されたデスクやテーブルの下に入り、揺れが収まるのを待ちます。
屋外にいる場合は、電線や窓、高い塀などから離れた場所を探し、カバンで頭を守ったり、その場でうずくまったりします。
シェイクアウトの訓練は、常にシンプルでわかりやすいものになっており、そのシンプルさやカジュアル感が受け入れられています。
また、日本の避難訓練は一般的に、当日だけで終わりますが、シェイクアウトでは、訓練を迎えるまでの事前の学習や、当日の内容のふりかえりなどの一連の流れをセットとしている点が特徴にあげられます。
事前学習では、本番の効果を高めるために、防災訓練に関する知識をつけたり、自分が住んでいる地域ではどこに避難すればよいかなどを考えたりします。
訓練後は、Facebook、Twitter、Instagramなどを通して他の参加者の様子を確認することができます。
アメリカの地震対策
アメリカのカルフォルニア州では、「活断層直上の被害はどのような防災対策を講じても回避できない」という概念から、断層変位による災害を防止するため、「断層の位置が確定している場所では、断層から一定距離に建築物を立ててはいけない」という「活断層法」ともいうべき法律が制定されています。
日本よりもはるかに土地が広く、建物を建てる場所がたくさんある国だから出来る施策です。
日本に導入できれば非常に有効ですが、日本は土地が狭いためなかなか実現できません。
しかし、学校や病院など、比較的人の集まりやすいところは避けれるのではないかとの見解もありますので、今後の対策に期待が高まります。
まとめ
日本とアメリカでは、「災害への備え」と一括りに言っても多くの違いがあります。
それぞれの国で行われている災害対策を参考にして日本の防災を高めることができれば、今後の地震や台風などの自然災害にも役立つでしょう。
参考・参照サイト
米国発の防災訓練「シェイクアウト」って何? | THE PAGE(ザ・ページ)
シェイクアウト(Shake Out)とは?気軽に始められる地震防災訓練 | 災害に備えるための防災メディア | 防災テック
コメントを残す