近年の台風や地震などの自然災害で、「防災グッズ」「防災訓練」など、「防災」に関する言葉が、世の中に浸透してきました。
「防災」活動の具体例は、以下の様なものです。
・防災関連の備品購入
・マンション単位や地域住民での防災訓練
・道路などの補正
これらは、災害での被害を防ぐために役立つことです。
「防災」と似ている言葉で「減災」があります。減災とは、一体どのようなことを差すのでしょうか。
「減災」とは
一般的に、「防災」は被害を出さないようにするのが目的と言われています。
それに対し「減災」は、以下の様なものです。
【減災】
震災などによる被害、特に死傷者をできるだけ少なくするよう事前に十全な対策を立てておこうとする考え方。また、その取り組み。堤防・防潮堤など構築物の強化だけでは防ぎきれないとして、地域住民と行政の協働による災害情報の共有、避難方法の周知徹底、物資の備蓄などを重視する。京大名誉教授河田惠昭が提唱。阪神・淡路大震災、東日本大震災を経て広く認識されるようになった。(引用:減災(ゲンサイ)とは – コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%B8%9B%E7%81%BD-674864)
「減災」は、阪神・淡路大震災の体験から生まれた取り組みです。
阪神・淡路大震災が起こるまでは、できるだけ被害を出さない「防災」の考えが主となっていました。
【阪神・淡路大震災】
1995年(平成7年)1月17日に発生した兵庫県南部地震による大規模地震災害のことである。被害は甚大で、日本国内のみならず世界中に衝撃を与えた。犠牲者は6435名に達し、戦後に発生した地震災害としては、東日本大震災に次ぐ被害規模であり、戦後に発生した自然災害では、犠牲者の数で伊勢湾台風の5,098人を上回り、東日本大震災が発生するまでは最悪のものであった。(引用:阪神・淡路大震災 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%AA%E7%A5%9E%E3%83%BB%E6%B7%A1%E8%B7%AF%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD)
非常に大きく、甚大な被害を受けたことをきっかけに、被害を完全に防ぐことは不可能であると明白になりました。
そして、「防災」では食い止めることができない被害に立ち向かうために、「減災」の考えが広まりました。
防災と減災の考えの違いまとめ
- 「防災」…被害が発生した後のこと
- 「減災」…災害発生前に「いかにして被害を減らすか」
具体的に「減災」とはどのようなことをするのか
災害発生時
自助を優先しましょう。
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自宅や職場…入浴中は避難経路を確保し、就寝中は寝具にくるまったりベッドの下に隠れたりします。マンション・職場は普段から意識して非常口や避難経路を確認しておきましょう。
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車内…急ブレーキは事故になる可能性があるため禁物です。
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エレベーター内…すべての階のボタンを押し、外部と連絡をとります。
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海の近く…内陸の高いところへ逃げます。波が引いても絶対に戻ってはいけません。
火災に注意
地震が起こった際、二次災害で多くなっているのが「火災」です。
火災をくいとめることも減災につながります。
揺れを感じたら、まず身の安全の確保を優先し、揺れがおさまってから火の元を消しに行きます。
万が一のためにも、家庭用の消火器を用意しておきましょう。
また、家族全員使用できるようにしておきましょう。
避難する
適切な場所へ避難します。公園や学校の校庭など、広い場所へ避難しましょう。
近隣の人もあつまるので、情報交換ができたり、お互いに協力したりすることが出来ます。
まとめ
「減災」に関する具体的な内容は、どこかで聞いたことのある人も多いかと思います。
災害がおこると、人はパニックに陥り、当たり前のことが当たり前のようにできなくなる場合があります。
せっかく知りえた知識も、有事に真っ白になってしまう可能性があります。
少しでも覚えておくためには、日頃から災害を意識した備えや考えをもつことが大切です。
例えば、マンションの高層に住んでいる場合は、地震がおこると下層階や一件家などに比べ、大きく揺れます。家具を買う毎に揺れに備えるために別途固定用の器具を購入することは「防災」になります。有事には、家具が倒れてくることを想定して少し離れたところで揺れが収まるのを待ちます。これは「減災」になります。
「防災」を意識しながら「減災」をイメージできるとスムーズに覚えることが出来ます。
参考・参照サイト
減災とは?減災と防災の違い
減災のてびき(減災啓発ツール) : 防災情報のページ – 内閣府
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