巨大地震や大型台風、洪水、土砂災害など、日本はいつどこで自然災害が起きるか分からない国です。
いざ災害が起きたときのために、日ごろから非常食や飲料水、防寒着などは準備しておきたいものです。子どもがいる家庭が防災グッズを用意する際は、大人が使うものだけでなく、子どもが自分で使えるものも併せて準備する必要があります。
そこで今回は、子供の目線に立った防災グッズの選び方を紹介します。ぜひ防災グッズを揃える際の参考にしてみてください。
子ども用の準備が必要なのはどんな防災グッズ?
はじめに、防災グッズとして持ち出し袋の中に入れておきたいものを確認しましょう。一般的な防災グッズとしては、3日分の非常食と飲料水、防災ラジオ、防寒・避暑用に使えるアルミブランケット、簡易トイレ、ポリ袋といった生活必需品が挙げられます。
非常食と飲料水を最低3日分用意しておく必要がある理由は、災害によってライフラインや流通が遮断される可能性があるほか、過去の震災で、ライフラインが復旧して救援物資が届くまでにかかる期間がおよそ3日だと言われているからです。そのため、3日間は自力で乗り越えられる食料と水の蓄えが必要になります。飲料水は1日一人当たり2リットルは必要とされているので、各家庭の人数に合わせて用意しましょう。
また、過去の震災で多くの避難所が深刻なトイレ不足に陥っています。簡易トイレはできるだけ準備しておくことをおすすめします。ポリ袋は水やゴミ入れ、調理のほか、トイレとしても使える万能グッズです。このほかにも、スムーズで安全な避難のためにも、ヘルメットまたは防災頭巾、軍手、動きやすい靴、ホイッスルなども用意するといいでしょう。
これらの中で子ども用に準備しておかなければならないものは、子ども用の非常食、防災頭巾またはヘルメット、軍手、動きやすい靴、ホイッスルまたは防犯ブザーなどです。子ども用の非常食は、離乳食をスタートしている子どもなど、大人とは違うものを食べている子ども向けに必要です。
ヘルメットや軍手などは、子どもの命や安全を守るために欠かせないグッズです。また、ホイッスルがあると、建物内に閉じ込められてしまった場合に、大声を出さなくても自分の居場所を他人に知らせることができます。
赤ちゃんと一緒に避難するなら何が要る?
赤ちゃんを連れて避難することを想定した防災グッズには、他のものでは代用が効きにくいものを優先して揃えるようにしましょう。
まず一つ目は粉ミルクです。被災や避難所生活は大きなストレスがかかるので、お母さんの母乳が出なくなってしまうことがあります。完全母乳育児をしている方でも、万が一のことを考えて粉ミルクを用意しましょう。キューブタイプの粉ミルクだと、作る度に計量がいらないので、避難先でも重宝します。
二つ目は離乳食です。避難所生活では、自宅にいるときのようになかなか電子レンジやコンロを使うことができません。そのため、温めなくても美味しく食べられる瓶に入った離乳食などがおすすめです。離乳食は赤ちゃんの成長に合わせてこまめに変わるため、定期的に非常食用離乳食を入れ替えることを忘れないようにしましょう。
三つ目はお尻ふきと紙おむつです。紙おむつはかさばりやすいですが、圧縮袋を活用するとすっきり収納することができます。お尻ふきは多めに用意しておくことで、お尻だけでなく体全体を拭いてすっきりすることもできます。
子ども用の防災グッズは子ども目線で中身をチョイス
防災グッズと聞くと、食料や防寒着、安全を守るヘルメットなどといったものをイメージしがちですが、実は子ども用の防災グッズにはおもちゃも必要です。
大人は避難所についたら静かに待つことができますが、子どもは大人と同じようにじっと過ごすことはできません。また、子どもは被災によって大きなストレスを抱えやすいので、少しでも気を紛らわせることができるおもちゃの用意はとても重要なのです。とは言っても、さまざまな防災グッズを鞄に入れると、おもちゃを入れる余分なスペースがなくなってしまうかもしれません。
例えば、トランプや塗り絵、お絵かきグッズ、折り紙などはスペースをとりませんし、子どもが集中して遊べるのでおすすめです。また、お気に入りの絵本や、ぬいぐるみを持っていくと子どもがリラックスしやすくなります。
子ども自身が持ち運べるバッグを準備
飲料水に食料、衣類など、家族全員分の防災グッズを揃えてみると、「最低限のものを用意したはずなのに、大荷物になってしまった…」となってしまう人も少なくないでしょう。
親がこの防災グッズをすべて持ち出すというのは大変なうえに、子どもを連れて避難するのはさらに負担がかかります。少しでもスムーズな避難をするために、子どもが幼稚園から小学生以上であれば、子どもが自分で持ち運びできる防災グッズを準備しておくとよいでしょう。
防災グッズを入れるカバンは、両手がふさがらないようリュックを選ぶのがベストです。また、子どもの移動の負担にならないよう、中身は詰めすぎないことを意識しましょう。水は500mlペットボトル1~2本程度、軽量の非常食やお菓子、また子どもの身を守る防犯ブザーや防災頭巾などを入れるといいでしょう。
子ども用の防災グッズを選ぶときの注意点は?
子ども用の防災グッズは、年齢によって必要なものが違うので、いくつか注意点を押さえておきましょう。
例えば食料であれば、乳児と幼児、また小学生では食べるものがまったく違います。体の成長が早いので、防災グッズ用の衣類サイズも定期的に見直さなければ、いざ必要になったときに「服が小さくて入らない」ということになりかねません。そのため子ども用の防災グッズは、成長に合わせて頻繁に中身の見直しが必要です。
また、子どものストレス軽減を考えて日常生活のものをあれこれつめてしまうと、荷物が膨大になってしまいがちです。かえって避難する際に邪魔になってしまうので、注意が必要です。
防災グッズは、まず最低限必要なものだけを詰めた「一次持ち出し袋」と、無事避難できて余裕ができてから持ち出す「二次持ち出し袋」に分けて、荷物が大量になってしまわないよう絞りこむようにしましょう。
まとめ
子どもの防災グッズには、大人と共有できないものがたくさんあります。
特に、食べ物は避難先で配られるものが合わない場合がありますし、子どもの気持ちを安定させるおもちゃが避難所にあることはそうないので、各家庭でしっかり準備しておく必要があります。
また、子ども自身が運ぶ防災グッズは、子どもと一緒に中身を見直すようにすると防災意識を持たせることにも繋がります。これまでご紹介した注意点などを元に、日ごろから意識して一緒に防災グッズの確認を行うようにしましょう。
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