地震が恐ろしいのは単に揺れだけではなく、津波や火災などの二次災害を招く危険性があるからです。
日本に住んでいる以上、いざというときのために備えて普段から対策を練っておくことが大切です。
ここでは地域の防災への取り組みとして防災マップの有効性を解説していきます。
防災マップ(ハザードマップ)って何?
防災マップはハザードマップとも呼ばれている防災対策アイテムです。
その役割は主に二つあります。
一つはもしもある地域で災害が起こった場合の避難状況が予測できるところです。たとえば、地震が起こったときに地盤が揺らぎやすい場所はどこなのか、津波の被害を受ける可能性があるのはどこなのか地図にしてあると、日常生活から防災への意識が高まります。
次に、災害時の避難経路や避難場所が明記されているところです。災害によって市民がパニックを起こしてしまうのは、『何をすればいいか分からない』状況に追い込まれるからです。防災マップを確認することでどのような経路を辿ってどこに向かえばいいのかが明確になります。
また、避難所を共有することで家族や親戚と再会できる可能性も高まり、トラブルを防ぐこともできます。このように、災害が起こる前に意識を根付かせるためや、災害が起こった後のパニックを避けるためにも防災マップは非常に有効です。
みんなで地域を歩いて危険をチェック!
防災マップを作成するときに気をつけたいのは、一人の担当者に任せないようにすることです。
一人だけで作成を行うと作成に時間がかかることはもちろん、狭い視野でしか地図を見渡せずに不完全な防災マップができてしまう恐れがあるからです。
そこで、複数人数で地域を実際に見て歩き、防災ポイントを確認していくことがおすすめです。地盤や地形、家屋などに注意を払いながら、どのような災害が来たらどれほどの損害を受けるのか、イメージしていきます。
また目で見るだけでなく、実際に近隣住民の声に耳を傾けることも重要です。防災マップの目的は地域住民の防災をサポートすることです。そのためにも、住民の声を反映させることは欠かせないプロセスでしょう。
そして、過去の災害のデータがあれば照らし合わせてみると現実的な予測が可能になります。地域で起こる可能性が高い災害を把握し、シミュレートしながら地域を歩き回ることで予測の精度は高まります。こうして得られた情報を持ち帰って分析し、防災マップに落とし込んでいきます。足を使った調査は防災マップの完成度を高めるとても大事なものです。
話し合って防災マップにまとめよう!
調査データを基にして防災マップの概要をまとめていく際も、できるだけ多くの意見をすいあげることに意識しましょう。
防災マップに住民が合わせるのではなく、住民の実情に防災マップが合わせることが望ましいからです。そのため、ミーティングやアンケートを駆使して防災マップへの要望を収集する方法が有効です。
防災マップにはできる限り多角的な分野からの意見を募りたいところです。地理学者や地質学者の意見はもちろんですが、災害時の住民の気持ちを正しく理解するために、行動心理学者の意見を聞くなどのベクトルがあってもいいでしょう。そうして出来上がった防災マップはすぐに校了とせず、モニタリングを重ねるなどして、実用性を確かめる期間を置くことも肝心です。理屈だけで作られた防災マップよりも、本当に地域住民のためになる防災マップへと仕上げるため、努力を注ぎ込みます。また、防災マップが完成しても情報が古くならないよう、微調整は続けていきましょう。
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