トイレットペーパーの備蓄が必要な時代に… 目安は何ロール?

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災害が起こると、今まで気がつかなかった不便さに気付かされることがあるでしょう。

大規模な災害ではライフラインが遮断され、外へものを買いに行きづらくなったり、商品を届ける物流が滞ったりします。そのため、生活に必要なものが手に入りづらくなることがあるかもしれません。災害が起きていないうちからさまざまなものを備蓄することが大切となります。

そこで今回は日常生活に必要不可欠なトイレットペーパーに焦点を当てて、どのくらい備蓄しておいたほうが良いのかを解説していきます。

国が主導!トイレットペーパーを備蓄する3つの理由とは?

トイレットペーパーの備蓄は、国を挙げて推奨されています。

しかし、なぜトイレットペーパーがそれほど重要なのでしょうか。経済産業省は、3つのトイレットペーパーの重要性を挙げています。

ひとつ目は阪神大震災からの教訓で、この災害時には食料や衣服よりも、トイレが不足したという経験に基づいています。

トイレやトイレットペーパーなどが不足すると衛生環境が悪くなり、ひいては病気のまん延や持病の悪化など第二第三の被害を生む可能性が高くなります。災害時に清潔な環境を保つためにも、トイレットペーパーの役割は重要です。

2番目の理由は、東日本大震災から学んだことが生かされています。

大規模災害が起こると一時的に急激な買い溜めが発生し、品不足になる恐れがあります。トイレットペーパーも例外ではなく、東日本大震災のときには全国的にトイレットペーパーが不足する事態になりました。

3番目の理由としては、トイレットペーパーの生産地が静岡県に集中していることが挙げられます。

およそ40%のトイレットペーパーが静岡県で作られているため、東海地震など静岡県が被害を受ける災害が発生した場合、トイレットペーパーの供給が滞る確率が高いと考えられます。

この何十年で大きな災害がいくつも発生しました。東日本大震災や熊本地震など規模の大きな災害が明日起きないとも限らないため、今から備蓄をしておくことは必要なのではないでしょうか。

一般家庭で使用するトイレットペーパーはどれくらい?

トイレットペーパーの重要性は理解したものの、いったいどのくらいの分量を備蓄しておけば良いのかわからないという人は多いことでしょう。

日本トイレ協会の統計によると、1回のトイレで使用するトイレットペーパーの量は平均でおよそ80センチ(ミシン目8つ分)だということです。また、女性は1日平均で12.5メートル、男性は3.5メートルとされています。

この統計を基に、必要な備蓄目安量を考えることができます。日本で多く使用されているトイレットペーパーは、全長60メートルのもの(シングル)か、2枚重ねになっている長さ30メートルのもの(ダブル)です。

つまり、女性だとシングルではおよそ5日に1個、ダブルではおよそ2日半に1個はトイレットペーパーを消費する計算となります。男性は女性よりも使用量は少ないものの、シングルは17日間で1ロール、ダブルは8日間で1ロールを消費します。

男女を平均すると1日の使用量はおよそ8メートルとなるため、シングルだとおよそ7.5日で1ロール消費し、ダブルだとその半分となります。ただし、最近ではウォシュレット機能付きトイレが普及しており、またトイレットペーパーの使用量には個人差があるため、あくまでも目安の数字として考えてください。

1回のトイレで自分はどのくらいトイレットペーパーを消費しているかを観察し、自分なりの備蓄量の目安を立てることが大切です。
トイレットペーパーの備蓄が必要な時代に… 目安は何ロール?

備蓄の目安は1ヶ月分4ロール〜8ロールが目安!

経産省によると、トイレットペーパーの備蓄は1カ月分を推奨しています。

1カ月分は男女の平均で、全長60メートルのシングルなら4ロール、全長30メートルのダブルなら8ロールが目安となります。

この数字は1人あたりの値なので、もちろん家族構成や性別で備蓄する量は大きく異なります。女性の場合は平均値のおよそ1.5倍は見積もっておいたほうが良いでしょう。

つまり、シングルでは6ロール、ダブルでは12ロールです。男性の場合、理論上は平均値よりも少ない量のトイレットペーパーで大丈夫といえますが、お腹を下したときのことなどを考え、できるだけ多めに備蓄をしておくことは重要です。

トイレットペーパーには消費期限がないため、可能ならば備蓄の目安以上を買っておいても損しないことでしょう。

備蓄が必要なのはトイレットペーパーだけではない

トイレットペーパーだけではなく、水・食料・ウェットティッシュなど備蓄しておいたほうが良いものがあります。

それぞれの物資の備蓄目安量も見ていきましょう。特に災害時には生死を分けるほど重要なものである水は、1日あたり3リットル摂取するのが一般的とされています。3リットルは飲み水としてだけではなく、調理に使う分も含まれています。

災害時には断水の恐れもあるため、飲み水を確保することは大切です。2リットル入りのペットボトルが6本セットになった箱では、およそ4日分の水に相当します。

過去の災害を見ると、およそ3日後には給水車が助けてくれることが多いです。そのため、最低3日分、最悪の事態を考えて1週間分は確保しておきたいところです。

水といっても水分であれば飲み水として使用できるため、調理に使う以外では、スポーツドリンクなど塩分や糖分も補給できるものを用意するのも良いでしょう。また、飲食に使う以外の水も、できるだけ多くあればそれに越したことはありません。浴槽になみなみと確保されていれば、トイレの水や下着を洗濯する程度には十分利用できます。

食料品の備蓄は、1週間〜2週間を目安にしてください。缶詰やα米など保存のきく非常食系のものと、野菜と果物を中心とした普段から少し多めに買い置きしているもので構成するのが望ましいです。

長期にわたってビタミンCを摂取しないと、壊血病などの病気になるリスクが高くなります。野菜や果物が採れない状況も考え、ビタミン剤も食料品と一緒に備蓄しておくと良いでしょう。

ウェットティッシュは水を使わず衛生を保てるので、災害時には重宝します。ウェットティッシュは手だけではなく体を拭くこともできるため、シャワーを浴びられないときにはたくさん消費することが予想されます。

備蓄の目安量としては、50枚入りで1週間〜2週間程度保つため、1人当たり50枚入りのものが1個程度は欲しいです。
トイレットペーパーの備蓄が必要な時代に… 目安は何ロール?

まとめ

テクノロジーが進化しても、いまだに災害が起きる時期を予測することは困難です。

しかし、いつ起こるかわからないからといって、今できる準備を後回しにすることは避けるべきです。災害時にはほんの少しのできごとが生死を分かつことが珍しくありません。

被災したときに「あのとき準備しておいて良かった」と思える行動を今行うことで、自分や家族の命を守ってください。物資の備蓄は、工夫をすれば無駄なく防災に備えられます。今回の記事を参考に、必要な物資を適量備蓄していきましょう。

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