近年の大地震や災害などで、持ち出し袋やリュックはかなり普及してきました。
しかし、持ち出し袋は基本的に自宅保管ですので、外出中に被災した場合は用意していても活用する場面がない場合があります。
地震や津波、台風などの災害は、いつ・どのようなタイミングで起こるのか分かりません。
車を運転している時に被災することも十分に考えられます。
避難所では、他人と同じ空間での生活になりますので、あえて避難所にはいかず、車中泊を選ぶ人もいます。
車の中にいる場合、災害直後はどのような行動をとれば適切なのでしょうか?
また、車中泊する場合は何を備えればいいのでしょうか?
①運転中に被災した場合
震度5以上の大きな揺れの場合は、パンクした時のようにハンドルをとられます。
震度5は、下記のような揺れです。
【人間】
多くの人が身の安全を図ろうとする。一部の人は行動に支障を感じる。
【屋内の状況】
つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が倒れることがある。
【屋外の状況】
窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。
(引用:地震はなぜおきるの?http://www.uricomi.com/tic/library/sakuhin/HP-DATA/DipicsHP/data/c_page/c_2e.htm)
地震が起こった場合は、いつもよりしっかりとハンドルを握り、徐々にスピードを落として左側に寄せて停車し、エンジンを止めて揺れが収まるのを待ちます。
先に緊急速報を聞いた場合は、ハザードランプを点灯して周囲の車に注意を促します。
驚いたり慌てたりして急にブレーキを踏むと、追突事故を引き起こしかねません。
また、前の車両が急停車する場合も考えられます。
万が一のためにも、普段から十分な車間距離をとるように心がけましょう。
ラジオなどの情報が分かるもので、地震情報や交通情報をチェックしてから次の行動を開始します。
いざという時にカーラジオの使用方法がわからないということがないように、一度は使用しておきましょう。
昔、車で被災した場合の避難方法にキーをつけたまま徒歩で避難するという指導がありました。
しかし、道路に車を放置することによって救急車や救助隊の妨げになる可能性がありますので、必ず道路外に移動させて駐車させましょう。
やむを得ず道路に置く場合は、エンジンを切りキーを付けたままにしておき、窓は締め、ドアロックはしないようにしましょう。
連絡先などの情報を車に貼っておき、車検証などの貴重品は持って出るようにしましょう。
また、津波が発生する可能性のある場合は絶対に車で逃げないようにしましょう。交通渋滞に捕まっている間に津波に襲われる可能性があります。
②車で避難生活を送るには
運転中に被災することも考えて、車の中にも防災セットを備蓄しておきましょう。
準備するもの
非常食
車内での保存になりますので、氷点下や高温など温度変化に耐えることができるかつ、長期保存の可能な非常食を用意しておきましょう。(例)7年保存(耐熱-20~80℃)のクッキー
簡易トイレ
被災した周辺にトイレのない場合もあります。最低でも3回分は用意しておきましょう。
レインコート
外に出る時に雨が降っている場合があります。着替えのない場合は着ている服が濡れると厄介ですので、必ず用意しておきましょう。
ホイッスル
大声で助けを求めると体力を消費しますので、ホイッスルを使って周囲に存在を知らせます。
脱出ハンマー
地震の影響でハンドル操作を誤り川や池に入ってしまうことも考えられます。
スマートフォンやヘッドレストの差込部など硬いものをぶつけても、窓はなかなか割れません。緊急時のために、脱出ハンマーは必要不可欠です。
軍手
脱出ハンマーを使用する時に着用します。その他、手袋代わりにもなります。
ブランケット・アルミブランケット
冬の車中泊となると、非常に寒くなります。置きスペースがある場合はどちらも用意して、二枚重ねで寒さをしのぎましょう。
エアーマット
シートでそのまま寝ると、体を痛める可能性があります。必ず用意しておきましょう。2,000円前後で販売されています。
枕・エアー枕
エアーマットと一緒に用意しておきましょう。エアーマットに枕が付帯している場合もあります。
救急セット
車の中にいるとはいえ、怪我はどのタイミングで起こるか分かりません。救急用品がセットになっているものもありますし、100円均一ショップでも簡単に揃えることができますので、準備しておきましょう。
オーラルケア用品
歯を磨くことのできるタイミングがあれば、必ず磨きましょう。歯や口の中を清潔に保たなければ、肺炎や感染症などを引き起こしてしまう可能性があります。液体歯磨きもおすすめです。
簡易スリッパ
靴を履き続けると疲れてしまいますので、リフレッシュや疲れを軽減するためにも用意しておくと活躍します。
アイマスク
夜に街灯などで明るかったり周りの様子が気になってしまったりすることがあります。昼間に睡眠をとるときも活躍します。特に寝付きの悪い人は用意しておきましょう。
耳栓
周りの音が気になる場合もありますので用意しておきましょう。
レジャーシート
車内より外のほうが快適に過ごすことのできる場合もありますので、外で座れるように準備しておくと便利です。
マスク
風邪を引いてしまった場合や避難所へ行く場合に役立ちます。避難所では感染症が流行る可能性があります。
まとめ
車内で被災した場合は①でご紹介した手順を思い出して、落ち着いて行動しましょう。道路に車を止めてはいけません。
また、②では車載用防災セットの紹介をしましたが、自分に必要なものを考えてカスタマイズすることも大切です。
例えば、モバイルバッテリーは携帯の充電に役立ちますし、近場での移動は傘を準備するほうが動きやすい場合があります。
すでに車載用防災セットを準備している人も、様々な可能性を考えて見直してみましょう。
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