安全に避難をするためには、いくつかの防災グッズが必要です。しかし、部屋の中に防災グッズを収納しておくと、有事の際にさっと取り出せない場合も考えられます。そのため、防災グッズをまとめた袋は玄関に置いておくのが良いと考える人が多いようです。
今回は、玄関を防災グッズ置き場として使用することのメリットとデメリットについてご紹介します。
☆すぐに逃げよう!防災グッズを玄関に置くメリットとは?
地震は、「余震」と呼ばれる現象が起こります。
余震とは、1度目の地震が起こった後も揺れが続く現象のことです。屋内にいるときに災害に遭った場合は、屋外に素早く避難をするのが大切なポイントになります。特に高層マンションに住んでいる人などは、地震の影響を受けやすく早急に避難をするのが重要です。
屋内で地震に遭ってしまった場合、物が倒れてきたり、火災に巻き込まれたりなどの被害が起こる場合もあります。地震が起こった際の二次被害として火災は多く報告されており、注意が必要です。屋内で地震に遭うことは、揺れによる恐怖心を感じやすいだけではなく、命に危険が及ぶ被害に巻き込まれやすいと言えます。
しかし、地震発生後何も持たずに外に逃げてしまうのは危険です。玄関に防災グッズを置いておくことによって、素早く安全に避難所に向かいやすいというメリットがあります。屋内で災害に遭った場合、玄関を通り屋外に出るのが一般的です。玄関には外履き用の靴がありますから、ガラス片などから足を守りつつ速やかに避難所に向かうこともできます。
さらに、玄関に防災グッズを備蓄しておくと、必要な道具や備品などを探すために部屋に戻る必要もなくなります。
☆荷物が出口を塞いでる… 防災グッズを玄関に置くデメリットとは?
「身の安全を確保しながら素早く避難をする」という観点から見ると、防災グッズを玄関に置くということには多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。
防災グッズは、救援物資がなくても3日~1週間生活ができる程度の用品を詰めておくのが良いといわれています。しかし食料や水、寝具なども含めると荷物が多くなりがちで、それに比例して重くなりやすいのです。
そのため、玄関に防災グッズを置いておくと、地震が遭った際に出口を塞いでしまうことも考えられます。また、玄関の荷物が靴箱を塞いでしまうことも想定され、外履き用のシューズが取り出せなくなってしまう可能性もあります。地震が発生すると、屋外の道路にはガラス片が飛散し、裸足で屋外に出るのは危険が伴いますので注意が必要です。
特に玄関に十分なスペースがない住居では、十分な量の防災グッズを収納できない、整理整頓がしづらいということも要因になるでしょう。災害時には慌てて行動してしまう人も多いです。玄関の荷物が多くなってしまうと、避難に必要な防災グッズがどれなのか分からなくなる恐れもあります。適した分量の必要なものだけを選択して備えるようにしましょう。
☆玄関には何を置く?逃げる時のことを想定して
災害が起こった際には落ち着いて行動をするのが大切です。
しかし、災害を経験したことがなかったり一人暮らしだったりすると、落ち着いて行動をするのが難しいことも事実です。玄関に防災グッズを用意するときは災害時の心理状況踏まえ、必要最低限のものを置いておくと安心です。その必要最低限のグッズは、一時避難をする際に持ち出します。
他の防災グッズは被害が収まったときなどに再度取りに戻るようにしましょう。例えば一時避難をする際に持っていきたいものは、ヘルメットやライトなどの身を守るための防災グッズです。避難をする際は必ずしも日中であるとは限りません。暗闇の中、ライトを使わずに避難をするのは難しいと言えます。
日中に避難をする場合であっても、頭上から物が落ちてくるなど、思いがけないトラブルに遭ってしまうことも考えられます。次に必要な防災グッズとして挙げられるのが携帯電話の充電器やラジオなどの電子機器です。
家族に安否を知らせるために、携帯電話は必要なアイテムです。充電が切れることを想定し、充電器を用意しておきましょう。携帯電話が使用できなくなった際には、ラジオを使って災害に関する情報を集めることができます。
☆玄関を防災グッズの置き場所にする場合のポイントは?
大震災の際は、家具や荷物が崩れることも考えられます。
それらの影響で玄関が通れなくなってしまうと、速やかに避難ができなくなるため危険です。玄関の周りは大型の家具や荷物を置かないようにしましょう。必要最低限のものを置いておくことで、有事の際にもスムーズに避難がしやすくなります。
背の高い靴箱など大型家具を配置する場合は、耐震テープなどを使って補強をしておくと安心です。耐震テープとは地震が起こった際に家具が倒れてしまうことを防ぐテープのことで、ホームセンターなどで購入できます。
また、玄関周りは常に整理整頓を心がけましょう。玄関周りの整理整頓を怠っていると、いざというときに防災グッズをさっと取り出せなくなってしまいます。用意した防災グッズは直射日光が当たらず、湿気が少ない場所で保管しておくのが望ましいです。
高温多湿な環境に電子機器を置いておくと、故障の原因になります。地震が起こった際には、できるだけ玄関を開放することを心がけましょう。玄関の扉が閉まったままだと、出口が塞がれてしまい逃げられなくなる場合もあります。
☆まとめ
屋内で災害に遭った際は、まず屋外の安全な場所に避難をするのが重要と言えます。
玄関から速やかに避難をする際、ヘルメットやライトなどの防災グッズがあると便利です。しかし、避難生活に必要な防災グッズを全て持ち出そうとすると、避難が遅れてしまうことも考えられます。また、玄関周りを荷物置き場として使用すると玄関を塞いでしまう可能性もあり危険です。
安全かつ速やかに避難をするためには、必要最低限の防災グッズを選び、玄関に置いておくのが大切です。いざというときに使用しやすいよう、日頃から玄関の整理整頓を心がけるようにしましょう。
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