水が使用できなくなってしまうと、トイレ後に排せつ物を処理できなくなってしまうのです。そのため、防災グッズの中には衛生用品を入れておくのがポイントといえます。
簡易トイレを使用する場合は、トイレ用凝固剤や衛生用品を使用し、清潔な環境を保つことを心がけましょう。今回は、簡易トイレの衛生管理と重要性についてご紹介します。
☆災害時の簡易トイレが不衛生… 果たしてどんなデメリットが?
トイレの環境が不衛生だとさまざまなトラブルが発生しやすいといえます。
災害時には普段の生活と異なる環境で過ごさなくてはいけません。また、簡易トイレが不衛生な環境で放置されてしまうと、雑菌やウイルスが繁殖してしまいます。心身共にストレスを受けやすい環境下では体調を崩しやすくなるため、慢性疾患を悪化させてしまうことも考えられます。
また、雑菌が体内に入ると胃腸炎などの症状を引き起こしてしまいます。胃腸炎は、胃や腸に雑菌が入り増殖することによって起こる胃腸の炎症です。1度発症すると腹痛や下痢、高熱、吐き気などの症状が現れます。子どもや高齢者が発症すると、重症化しやすく症状が長引く危険性も高いです。
さらに、災害時「不衛生な環境では、用を足したくない」と考える人もいます。トイレを我慢すると、膀胱炎を発症することにも繋がるため注意が必要です。
膀胱炎は、膀胱内で雑菌が繁殖すると起こる炎症です。排尿時に強い痛みが生じるため、排尿を避けるために水を飲むことを我慢する人もいます。長期間水を飲まないと脱水症状を引き起こす場合もあり危険です。
☆避難所にトイレあるから… その考えは甘いかも!
災害時に水道が止まってしまうと、普段使用している水洗トイレは使えなくなってしまいます。
しかし、避難所には仮設トイレが設置されることが多いため、「簡易トイレを自分で用意する必要はない」と考える方も多いようです。しかし、仮設トイレが設置するまでは時間がかかる場合もあります。おおよそ2日から7日間程度かかることが多いです。
災害発生から数日間は仮設トイレが使えない場合もあるため、そのあいだのトイレに困ってしまう人もいるようです。また、仮設トイレが設置されても、トイレの衛生環境を守るのは非常に難しいと言えます。避難所の仮設トイレは多くの人々が集中しやすいです。
排せつ物が溜まりやすいだけではなく、さまざまな菌やウイルスが繁殖しやすい環境でもあります。ブドウ状球菌やサルモネラ菌、大腸菌などの感染症を引き起こすウイルスが増殖し、人々に感染してしまうと大きな問題に発展してしまうことも考えられるのです。
これらのウイルスを体外から排出するためには、専門の治療薬の使用が必要になりますが、災害時には医療機関による専門治療を受けることが難しい場合もあり、症状が重症化しやすいです。
☆簡易トイレをキレイに保つために用意しておきたいグッズ
水を使用できないと、トイレの衛生的な環境を守るのは難しい場合もあります。
そのため、殺菌・消毒効果を持つ防災グッズを用意しておくことが重要です。まず、トイレを衛生的に保つために効果的な防災グッズとして挙げられるのが「トイレの凝固剤」です。
トイレの凝固剤とは、排せつ物と反応し瞬時に固める作用を持つ薬剤のことです。凝固剤には排せつ物の臭いを閉じ込め、速やかに処理できる状態にする効果があり、衛生管理に欠かせません。凝固剤を使用すると災害時でも臭いを気にせずに、いつでも用を足せます。
トイレの凝固剤の中には、感染症の原因となる菌やウイルスを除菌する効果を持つ製品もあります。トイレの衛生環境を守るために、抗菌作用を持つ凝固剤を使用することは効果的です。1日当たりのトイレの回数は2回~5回程度が平均といわれています。凝固剤は不足しやすいグッズでもあるため、多めに用意しておくと安心です。
簡易トイレの衛生環境を守るためには「非常用消臭剤」を使用するのも効果的な方法と言えます。非常用消臭剤は、排せつ物の悪臭を強力に吸収する薬剤のことを指し、なかには強力な除菌効果を持つ製品もあります。トイレの悪臭は害虫の繁殖を促すこともあるため、根本的に悪臭を断つ消臭剤は害虫除けにも効果的です。
☆災害時だからこそトイレのあとは清潔にして
トイレを使用すると、雑菌やウイルスが手に付着しやすいです。
トイレを使用した後は、除菌効果のあるウェットティッシュや体拭きシートで手を拭くようにしましょう。災害時にあると便利なグッズとして、消毒用アルコールやジェルなどが挙げられます。消毒用アルコールやジェルを使用することで、水を使用しなくても手や指を清潔に保てます。高い除菌効果を誇りつつ、手肌に優しい処方の製品などもあるため、子供や高齢者でも使用しやすく便利です。
しかし、衛生管理が必要なのはトイレの環境だけではありません。自分たちの体を衛生的に保つことこそ重要なポイントといえます。水道が止まってしまうと、毎日入浴をするのは困難になります。入浴して全身を清潔に保つのが難しい環境だからこそ、生活の中で常に体を清潔に保つよう気を付けるようにしましょう。特に、手や指は常に清潔な状態に保っておくのが望ましいです。
手や指に付着した菌やウイルスは、食事などを介して体内に侵入することが多いためです。食事から体内に入った菌やウイルスは、感染症や胃腸炎などを引き起こす原因にもなります。
☆まとめ
災害時に体の健康を守ることは重要です。
しかし、不衛生な環境の中で生活をしていると、菌やウイルスが体内に侵入しやすく、体調を崩しやすいです。一度、菌やウイルスが体内に侵入し、病気になってしまうと体力を激しく消耗してしまいます。
菌やウイルスが体内に侵入しないようにするためには、トイレの環境を清潔に保つのはもちろん、手指を清潔に保つのを忘れないようにしましょう。そのためには、トイレの凝固剤や消臭剤、消毒用アルコールなどを用意しておくと安心です。
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