そのため、緊急用の備蓄食料を用意していたり、用意しなければいけないと思っていたりする家庭も多いのではないでしょうか。しかし、せっかく用意した備蓄食料もいざというときに取り出したり、持ち出したりできなければ意味がありません。
ここでは、備蓄食料をどういった場所に収納すればいいのか、もしくはどこに置くとNGなのかなどについて、詳しく解説していきます。
失敗しやすい備蓄食料の収納場所とは?
緊急用の備蓄食料の置き場所としてNGなのは、収納したことを忘れやすいような場所や、物をどかさなければ取り出せないような場所です。
例えば、天袋や物置などは避けた方がいいでしょう。普段使わないものをまとめて置いておくような場所に収納してしまうと、しまったこと自体を忘れてしまう可能性があります。
また、使用頻度の低いものを収納しておく場所というのは、大抵は中の荷物を手軽に取り出しにくい場所です。災害時に素早く避難しなければならないような状況で、必要なものを手軽に取り出せないというのは、好ましい環境ではありません。
手軽に取り出しづらい場所といえば、天井裏や屋根裏の収納スペースなども挙げられます。はしごや階段で昇り降りしなければならないことが多いため、1分1秒を争うような緊急時には、備蓄食料を取りに行けないこともあるでしょう。
それから床下収納も避けた方が無難です。床の開口部に何かを載せてしまっているということがあるでしょうし、地震災害などでは電化製品が倒れたり家屋が崩落したりして、開口部が塞がれてしまうというケースも考えられます。
備蓄食料も普段と同じ場所に収納を
備蓄食料を保管するなら、普段利用している食料品の収納スペースと同じ場所が適切です。冷蔵庫や食料庫、食料品置き場やパントリーなどといった場所なら家族の目につきやすく、手軽に取り出すこともできます。
実は目につきやすいというのが重要で、日常的に緊急用の備蓄食料を目にすることで、災害に対する危機意識の向上に繋がるでしょう。大きな災害に直面するとほとんどの人が精神的な混乱に陥り、冷静な行動や正常な判断が難しくなります。気が動転して、せっかく用意しておいた備蓄食料や災害グッズの存在を忘れてしまうこともありえるでしょう。
ですから、普段から備蓄食料を目につきやすい場所に置いて、定期的に災害への心の準備を促すことが大事になります。
ただし、普段使う食料品と備蓄食料を一緒に保管するとなると、それなりのスペースが必要になります。そのため、隙間やデッドスペースなどを活用し、効率的に収納できるよう工夫するといいでしょう。
プラスチックケースやキャスター付きのケースがあると便利なので、収納スペースの広さや間取りに合わせて使えば保管が楽になります。しかし、その際に注意しなければならないのが、効率的な収納を意識するあまり、備蓄食料をスペースの奥の方やケースの下の方にしまい込んでしまうことです。
取り出しにくい場所に置いては元も子もありませんし、日常的に目にしなくなることで、備蓄食料を保管していることを忘れてしまう可能性も考えられます。
出入り口に収納しておくという方法も
冷蔵庫や食料品置き場など以外に、玄関や窓付近も備蓄食料の保管場所として適しています。災害時に素早い避難が必要になったとき、冷蔵庫や食料品置き場にすら立ち寄る余裕がない場合もありえるでしょう。
そんなとき、逃走経路である玄関や窓付近に備蓄食料や災害グッズが用意してあれば、時間をかけずに持ち出すことができます。
ただ、玄関や窓付近には、あまり多くの備蓄食料を保管しておくことができないのが難点です。それでも、重い荷物を抱えて避難する負担を考えれば、荷物が少ないというのは決してデメリットばかりではありません。
逃走経路に置いておく備蓄食料や防災グッズは軽量さと機敏さを重視したものだと割り切り、必要最低限の量に抑えるといいでしょう。また、こうした用意を複数の逃走経路に施しておくのが賢明です。
災害時は家屋の崩落などによって、玄関が開かなかったり、窓が塞がれていたりといった事態が想定されます。どの出入り口から避難しても備蓄食料や防災グッズを持ち出せるよう、準備しておくようにしましょう。
備蓄食料品は定期的にチェックをしよう
備蓄食料は基本的に賞味期限が長めに設定されているものが多いですが、それでも全部が全部何十年も利用できるわけではありません。
いざというときに賞味期限が切れているということがないよう、定期的にチェックしておいたほうがいいでしょう。賞味期限の目安は米や乾燥麺などで約6カ月~2年、レトルト食品やインスタント食品で約1~2年、魚やフルーツなどの缶詰で約2~3年、調味料や油で約6カ月~2年となっています。
また、備蓄用の水は賞味期限が長めで、処理方法にもよりますが、多くは2~5年程度持つでしょう。ただし、これらの賞味期限は保管状況によって変化しますので、注意が必要です。だいたい半年か1年に1回くらいの頻度でチェックをおこなうのが望ましいでしょう。
それから、備蓄している食料品の種類や量にも気を配ったほうがいいでしょう。特に子どもがいる家庭では、子どもの成長に合わせてラインナップを変えたり量を増やしたりしなければならない場合があります。乳幼児は短い期間のあいだに食べられるものがどんどん変化しますから、乳幼児がいる家庭なら2~3カ月に1回のタイミングで備蓄食料の見直しが必要です。
さらに、定期チェックで備蓄食料を買い直す際には、賞味期限が迫っているものや切れているもの、子どもが成長して必要なくなった粉ミルクや離乳食などをピックアップし、備蓄のラインナップから外すことを忘れないようにしましょう。
まとめ
大きな災害に見舞われたとき、家の中はどんな状況になるかわかりません。そのため、自宅で復旧を待つ場合も、自宅から避難する場合も、可能な限り手早く取り出したり持ち出したりできる場所に備蓄食料を保管しておくことが望ましいでしょう。
取り出しづらい物置や屋根裏などでの収納は避け、普段から目につきやすい冷蔵庫や食料品置き場などや、玄関や窓付近といった逃走経路に荷物を準備しておくのが賢明です。
しかし、せっかく用意した備蓄食料が食べられない状態では意味がないので、定期的にチェックし、本当に必要なものを取り揃えておくようにしましょう。
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