トイレは避難所などにも設置してありますが、自分でも簡易トイレを備えておくととても便利なものです。簡易トイレの必要性は過去に発生した災害の事例からも報告されています。もしもの事態を想定して簡易トイレの作り方や知識を蓄えておく必要があります。
過去の事例も含め、簡易トイレについての知識をご紹介しましょう。
いざというときのために!簡易トイレの作り方をマスター!
簡易トイレは周りにある身近なもので作成することができます。
作り方は簡単で、用意するものは45リットルのゴミ袋2つと新聞紙、消臭剤です。
45リットルのゴミ袋を2つ重ね、便座に2重にかぶせます。その中にくしゃくしゃにした新聞紙を2枚、縦と横に交差してゴミ袋の底部に敷きます。その上に短冊状に切り、くしゃくしゃにした新聞紙を敷き詰めます。便を吸収させる吸収剤は、新聞紙に限らずオムツでも代用はできます。用を足した後に消臭剤(猫砂やオガクズでも可)をかけて臭いを消します。内側のゴミ袋だけ取り出し、空気を抜いて口を強くしばります。便が入ったゴミ袋は生活ゴミと分別し収集まで密閉できる容器に入れて保管しましょう。容器は保管用密閉袋や蓋つき衣装ケースなどでも大丈夫です。密閉できる容器にも消臭剤を備えておくと快適に使用することができます。
簡易トイレの作成に必要な道具以外にも、「使用済携帯トイレの密閉袋・ボックス」「トイレットペーパー」「ウェットティッシュ」「アルコール消毒液」「ランタン型ライト」「バケツ」を用意しておくことで、快適に簡易トイレを使用することができるでしょう。
簡易トイレ4種類!どのタイプがおすすめ?
簡易トイレは4種類のタイプに分かれており、それぞれの使用方法にも好みがあるので特徴を把握しておくのが良いでしょう。
1つ目はポリマーシートタイプです。吸収ポリマーシートを汚物袋に1枚入れて用を足します。その上からもう1枚のポリマーシートをかぶせて袋を閉じます。汚物袋1枚で数回使用できます。
2つ目は粉末凝固タイプです。排泄袋に用を足した後に粉末の凝固剤を加えます。すぐに凝固剤の作用で排泄物は固まってくれます。
3つ目はタブレットタイプです。タブレットタイプは粉末凝固タイプと違い、事前にタブレットを排泄袋に入れておけば排泄物と反応して凝固します。
4つ目は吸水パックタイプです。事前に袋の下に吸水シートが装着されており、設置してそのまま使用して捨てることができます。他の簡易トイレと違い、初めから排泄物を吸水してくれるシートが一体型になっているのが特徴です。
それぞれ使い方の違いや特長はありますが、使い方や排泄回数、処理をするときの重さや大きさなどに大差はありませんので、保管時のパッケージの大きさなど自分の好みで選ぶのがよいでしょう。
簡易トイレの備蓄数についてみんなどうしているの?
トイレは頻繁に使用するので備蓄する量も少なくてはいけません。
備蓄の目安として、内閣府が発表している災害時のトイレ平均回数である1日5回分に家族の人数をかけ、最低でも7日分用意しておくのが良いでしょう。
例えば4人家族の場合、5回×4人×7日=140枚分用意しておく計算になります。簡易トイレは数回使用できるので大便は1人1回で交換し小便は3回使用して交換することを考えると、節約を考えた場合、大便用1回×4人×7日=28枚と小便用4回×4人×7日÷3日=37枚で合計65枚あればギリギリ足りる計算になります。
簡易トイレも多く所持すると備蓄するのにかさばってしまいます。多くの量を備蓄するのが難しい人は、最低限の簡易トイレを所有しつつ、足りなそうな分はゴミ袋や新聞紙を使用して簡易トイレを作る方法もあります。ゴミ袋はゴミの処理や簡易トイレなど併用して使用することができるのでとても便利な災害用品といえるでしょう。
備蓄枚数は家族構成によっても変動してきます。人数に応じて備蓄数を調整して、何が起こっても良いように節約をしながら使用するのが良いでしょう。
災害対策に簡易トイレは本当に必要?
被災地では仮設トイレの設置などが行われ、簡易トイレの必要性を疑う意見を持つ方もいるでしょう。
文部科学省が東日本大震災のときに避難所での課題について調査をしています。施設・設備の問題でトイレと答える人が74.7%と一番多い結果になりました。
例えば仮設トイレが被災地に届くまでには時間がかかります。すでに被災地にあるトイレは使えなくなっている可能性もありますし、下水が壊れて排水が詰まり、トイレが便であふれ衛生的に使用しにくくなる場合があります。不衛生なトイレは、雑菌や細菌が繁殖しており、利用頻度が多くなるにつれ病気になるリスクが高くなります。
被災中は普段の生活と違う生活を強いられてしまうため、体力や精神的に弱っていることが多く、免疫力も低下している場合があります。そのため、不衛生なトイレの使用によって2次被害を受けてしまう危険性があることを認識しておくことが大切です。
また、公共のトイレを使用する場合はトイレの順番を守る必要があり、使用までに時間がかかってしまいます。簡易トイレを使用することで待ち時間を気にすること無く用を足すことができます。
衛生的なトイレでない限りは公共のトイレの使用を控え簡易トイレを使用し、公共のトイレ環境が整うまで待つのが良いでしょう。
まとめ
災害時の簡易トイレは、被災時の生活をとても快適にしてくれるでしょう。
簡易トイレをストックできなくても、新聞紙やゴミ袋を用意して作り方を把握すれば簡易トイレを作ることはできます。家においておける備蓄量は各家庭によって限界があるでしょう。備蓄できる限界の中で、どれくらいの簡易トイレが必要かを計算して用意をしておくことが大切です。
簡易トイレの使用が増えることで、被災地でのストレスが減り、使用できるトイレが荒れてしまう心配も減ります。被災地環境の衛生面が整えば、それだけ2次被害である感染症の抑制に繋がります。簡易トイレの使用のメリットは、自分の被災地で生活する環境を整えるだけが目的では無いのです。
簡易トイレの作り方を学び、できれば必要な量の簡易トイレを備蓄しておいて災害に備えるようにしましょう。
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