トイレはどうする?災害時のトイレ対策

トイレはどうする?災害時のトイレ対策
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自然災害の対策として、防災グッズを準備している家庭も多いと思います。過去の災害時にはいろいろと問題点がでてきましたが、その中でもトイレは大きな課題となっています。水がでなくなったときにどうするのか、トイレの数は足りるのかなどの過去の事例とあわせて災害時の対応策をご紹介します。

災害時に困るトイレ問題

大きな地震や大雨などで浸水した場合、給水施設や配管がダメージを受けると水の供給が止められ、各家庭へ水が届かなくなります。今は水洗式のトイレが普及しているので、断水した場合はトイレの使用もできなくなります。

避難所へ移動した場合でも、仮設トイレに長蛇の列ができている様子がテレビのニュースでも見受けられます。一番のトイレ問題は圧倒的にトイレの数不足と水不足になるという点です。災害当初はプールの水などを使用していても、すぐに足りなくなってしまいます。また屋外の仮設トイレはたくさんの人が使用するため、汚れやすく衛生面でも問題があります。

ひどい所では病原菌が蔓延して感染症にかかる人もでてきます。普段から水洗式のきれいなトイレに慣れている人が多く不衛生なトイレを使いたくないことから、トイレを我慢したり、食事を控えたりして体調を崩す人も。そのため膀胱炎や便秘になりやすく、高齢者の中には脱水症状を起こしてエコノミー症候群や脳梗塞に至る人も過去の災害では見受けられます。
災害時に困るトイレ問題

自治体のトイレ対策

1995年1月17日におきた阪神淡路大震災では、このトイレ問題が注目されました。

その後いくどかの自然災害を経験して、政府は2016年4月14日の熊本地震直後にようやく「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」を発表しました。不足するトイレの数についても「災害の発生当初は避難者約50人あたり1基」との目安を示して、各自治体に対応するよう促しています。

また2016年3月には、国土交通省がマンホールトイレについてのガイドラインを作りました。屋外で使用する仮設トイレは、本来建設現場などで使用するために作られているので、男性は和式を好む人が多いことからも、そのほとんどが和式となっています。特に高齢者や体の不自由な人にとっては、和式トイレは使いにくいためつらいものです。

避難所では年齢性別問わずたくさんの人が利用するため、国土交通省は洋式で臭気対策のついた仮設トレイをもっと普及させるよう災害用のモデル事業を展開しています。

携帯用簡易トイレがあれば安心

深刻なトイレ問題に個人で対応できるのが、水を使わないで用が足せる携帯用の簡易トイレです。

一般的なものはビニール袋と凝固剤・消臭剤などがセットになったものです。水が止まってしまい水洗トイレが使用できない場合には非常に重宝します。ビニール袋を便座にひっかけて用を足し、終わったら粉末の凝固剤をふりかけて固めます。ビニール袋ごと燃えるゴミとして処分することができるのが特徴です。タブレットタイプのもの、初めから袋に吸収パックがついているものなど、さまざまなタイプが販売されています。

また便座自体が段ボールやプラスチックで簡易に作られたタイプのものもあります。段ボールタイプは軽さ・丈夫さ・処分のしやすさなどで人気があります。緊急の際には、段ボールに穴を開けてビニール袋をひっかけ、中に新聞紙を入れて即席の災害用トイレを手作りすることも可能です。

災害時に困るトイレ問題

防災グッズセットは簡易トイレ入りのものを!

防災グッズというと、まず頭に浮かぶのが水・非常食・電池・ラジオなどです。
しかし長期的な避難生活を考慮するとトイレ対策は切実な問題となってきます。

排泄は人間の3大欲求のひとつで生理的な営みなので、不衛生なトイレを使うことや我慢をすることのストレスは想像以上に甚大なものです。不便な環境の中で、少しでも生活のストレスを増やさないようにする必要があります。仮設トイレがあるから大丈夫だろうと安心せずに、防災グッズセットには簡易トイレが入っているものを必ず選ぶようにしましょう。

最低でも1週間分くらいを用意しておけば安心です。ひとり当たり1日4回使うと考えて、人数分の7日分用意します。例えば4人家族の場合は、1日4回分 × 4人分 × 7日分 = 112個の簡易トイレが必要です。意外と多いと感じませんか?災害にあってからではこれだけの量を急に用意することはできません。日ごろからしっかりと準備をしておくと災害時のトイレ対策は万全です。

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