他人事じゃない… 震災を想定した食料備蓄の考え方

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毎日、何気なく口にしている食料ですが、震災などの災害が訪れると重要性に気づかされます。

まず、自宅で身動きのとれない状態になれば、食料が底をついてしまう可能性があります。避難所に流れることができても、全員分の食料が確保されているとは限りません。

日本は地震や台風などの災害が起こりやすい国です。備蓄食料への意識は全国民が持っておくべき課題だといえるでしょう。ここでは、備蓄食料の重要性について解説していきます。

震災などの災害時に必要な食料は最低3日分

震災などの災害が起こると、家が倒壊したり、鍵が壊れたりして外に出られなくなる可能性があります。また、家の状態は比較的無事でも、外の災害状況が悪化していて外出には危険性を伴うケースもあるでしょう。

そんなとき、最優先の問題になるのが家族全員分の食料や飲料水の確保です。単に飢えをしのげればいいわけではなく、万が一、早急に避難しなければいけなくなったときに備えて十分な体力を温存しておく必要があります。ふだんと変わらない食生活は無理があるでしょうが、少なくともカロリーは不足しない程度の備蓄食料は用意しておきたいところです。

備蓄食料の量は、理想としては1週間分です。1週間あれば閉じ込められた状態でも救急隊がかけつけてくれる確率は高くなります。ただし、避難所などに食料を持ちいれることを考慮すれば、現実的に運べる量の限界は3日程度でしょう。最低でも3日分の食料は確保しておく意識が必要です。

災害時に困らない備蓄食料の考え方

家族全員分の備蓄食料を用意すると想定し、まず考えるべきは「食べやすさ」です。

たとえば、家族に高齢者や小さな子どもがいれば、固い食べ物があるとネックになります。また、消化に時間のかかる食べ物も望ましくないでしょう。

大家族になれば、調理にも手間が発生します。レトルト食品など加工しやすいものが理想的です。災害時には、ふだん食べ慣れている食品があると心の支えになりますし、食欲も増進します。ふだんの献立メニューの中から缶詰や瓶詰めなどの保存に向いている食品を備蓄しておきましょう。

いくら美味しい食品だからといっても毎日同じメニューでは飽きがきます。備蓄食料にもバリエーションを持たせる必要があります。また、外出できない状態では食事にストレス解消の意味合いも含まれてきます。栄養面での効果はそれほど高くなくても、お菓子などを備蓄食料に加えておくと、適度な息抜きとしての役割を果たすでしょう。

他人事じゃない… 震災を想定した食料備蓄の考え方

避難所で生活するケースを考えた備蓄食料

震災などで家が倒壊したり、危険区域に住んでいたりしたら避難所に移動する可能性も考えられます。しかし、避難所では十分な救援物資があるとは限りません。食料の配給が必ずあると考えず、自分たち家族の食料は自分たちで用意しておくよう心がけましょう。

避難所では炭水化物が非常に大切な栄養素です。炭水化物はエネルギー源になるので体力維持、健康管理に役立ちます。何が起こるか分からない非常時だからこそ、力は温存しておきたいところです。また、炭水化物は体温を保つ効果もあるので、避難所の気温が低かったとしても対策になるでしょう。炭水化物を多く含んだおにぎりやパンの備蓄は必須です。

ただし、炭水化物ばかりでは栄養バランスが偏り、フラストレーションや病気を誘発しがちです。野菜ジュースや缶詰などで手軽にビタミンやタンパク質を摂取できるようにしておくと、避難所生活が長く続いたとしてもより安心です。

もし自宅で被災したら?食料の消費方法

避難所が被災したなどの理由で、非常時にも自宅で過ごさなくてはいけないパターンもありえます。そんなときは食料の消費のしかたに気を配り、すぐに食料が底をつかないように工夫しましょう。

まず、最優先で食べなくてはいけないのが冷蔵庫の食料です。ヨーグルトや牛乳など、貴重な栄養源でありながら賞味期間の短いもの、生鮮類などを先に片付けましょう。また、災害時には冷蔵庫が機能しなくなるリスクも考えられます。そこで、冷蔵庫内に保冷剤を用意しておくといいでしょう。電力供給が途絶えても、保冷剤を活用すればしばらくの間、生鮮類を保存しておくことは可能になります。

また、ガスも災害時には止まってしまう確率が高いでしょう。温かい食事を用意し、体力を温存するためにはガスの有無が重要です。そこで、カセットコンロを用意しておくと備え付けのガスがある限りは食品を加熱できます。食料だけでなく、保管や調理の方法を確保する工夫も大切です。

大人1人に必要な備蓄食料の量とは?

災害時には備蓄食料を少しずつ食べて、何とか飢えをしのがなくてはいけない状況がやってくる可能性もあります。

しかし、それはあくまで最後の手段です。理想は、1人1人が十分なカロリーを消費しながら、健康を維持して救援や避難のときを待つことです。

また、空腹はストレスを膨らませ、冷静な判断力を失わせます。地震などで自宅に閉じ込められたとき、ストレスのたまった家族同士で口論が起こる恐れもあり、備蓄食料には余裕を持たせておく必要があるでしょう。大人1人の1食分で0.5合の米が必要だといわれています。

つまり1日3食として1日1合、1週間で7合あるとカロリーはカバーできます。ただし、米以外の栄養を摂るために缶詰やレトルト食品も備蓄しておきましょう。

また、大人が1日に飲む水の量は約1リットル程度です。しかし、手洗いや食器洗いなどでは別に2リットルの水を消費しているので、3リットルの水があれば大人1人の1日分は比較的楽に過ごせます。

他人事じゃない… 震災を想定した食料備蓄の考え方

まとめ

災害が起こって何日も自宅や避難所を出られずに過ごす事態は、日本においてそこまで確率の低い状況ではありません。毎年のように大災害の報道がなされている以上、備蓄食料の重要度は下がらないでしょう。

備蓄食料では栄養素や保存性はもちろん大切ですが、「何日も食べ続ける」点にも着目しましょう。緊急時に家族の心の支えになってくれる要素があると理想です。家族の慣れ親しんだ味や、甘いものを取り入れるのがいいでしょう。

そして、食料だけでなく保存アイテムや調理器具の備蓄も意識するのがおすすめです。冷蔵庫やガスが普段どおり使えるという保証はなく、電気がなくても使用できる道具をそろえておきましょう。

大人1人あたり1日、1.5合の米と1リットルの水が必要だといわれています。それらを家族の数だけ、何日分も蓄えておくのは面倒と感じるかもしれません。しかし、わずかな手間で緊急時の生存率が上がるのであれば、行動した方が賢明でしょう。

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